ここ数カ月間の、自分の最大のウキウキ事である
西岡利晃 vs ノニト・ドネア
が、昨日行われた。
日本人の絶対チャンピオン、西岡利晃とP4P上位常連のノニト・ドネア。
下馬評やオッズでは、ドネア優位なのはわかっていたが、ある程度善戦はするだろうし
もしかして、敵地での劇的勝利などと淡い期待も持っていたのだが、
結果としては、完敗と言わざるを得ない内容だった。
序盤は、ドネアの左フックを警戒して、右ガードを上げて守り重視。
ただ、本当に守り一辺倒になってしまい、ジャブ含め圧倒的に
手数が少ない状況になってしまった。
ドネアフルマークの状況が続いた6回、徐々に打ち合いになって来た矢先に
警戒していた左フックではなく、左アッパーでダウンを奪われる。
フックを警戒してダッキングしたところへ、アッパーが的確にあたる。
また、西岡選手の足が揃っていたのも災いして、そのまま後ろへ尻餅を付く感じでマットへ。
ダメージによるダウンでは無いので、立ち上がった後も動きに変化はなく
逆に倒されたことで、西岡選手も吹っ切れたのか激しい打ち合いとなる。
その後もドネア優勢で続いた9回。西岡選手がドネアをロープ際に詰めて
右で距離を測って左ストレートを出すタイミングを伺っているところに
ドネアのストレートが炸裂し、この試合2度目のダウンとなる。
西岡選手は立ち上がり、レフェリーも再開させたが、セコンドがストップをかける。
後から知った話では、本田会長からの指示だったとのこと。
見てる側からだと、早いように思えたが、選手の体を気遣った結果
最適な止め時だったのだと思う。
スピード、パワー、テクニック、戦略、全てにおいてドネアに軍配があがる
そう思わされる試合内容だった。
スピード、特にハンドスピードに関してはドネアが優勢なのは
わかっていたが、西岡選手のテクニックや絶妙な間合いのとり方で
ドネアの良いところを潰して、ジャブからのモンスターレフトが徐々に炸裂する展開を
期待していたのだが、それは叶わなかった。
また、ドネアの出来も凄まじいものがあった。
スーパーバンタムに上がってからの試合は、相手の守勢も影響しているが
それまでの階級での凄さはイマイチ見えてなかったのだが
昨日のドネアはバンタムまでの凄さか、それ以上かと思わせるほどの出来だった。
体系的にも、元々ドネアは腕も細いし、腹回りも削ぎ落した筋肉といった感じではなく
ちょっとポッチャリとした感じだったが、昨日は腕回りの肉付きも今までと違ってがっしりしていて
腹回りもすごく綺麗に絞られている感じだった。やっと階級にあった体が出来て来たようだが
昨日の内容ならさらに2階級上でも戦える期待を持たせてくれる。
西岡サイドは、超絶左フックを警戒して、右ガードをがっちり上げ
前半は様子を見るという戦略だったようだが、結果としては右のリードが
まったく出せずドネアの攻撃を待つ状況が続いてしまい
圧倒的なポイントリードを与えてしまった。
ただ、見合って待っていると超絶スピードのコンビネーションが飛んでくるし
少しでも手を出せば、その3倍くらいの攻撃が返ってくるといった状況で
攻めても守っても八方塞がりな状況だった。
こうなるとどうしてもタラレバ論が出てくるのだが
早い回で、右ガードの左フック警戒は解いて従来のスタイルで
右のリードを出していたら、
あの超速コンビネーションに対して、勇気を出して
相打ち覚悟のパンチをあわせて、出鼻を止めていれば、
などと素人考えに思ってしまうのだが
もしそれが出来ていたとしても、逆に早い回でのKOリスクが
高まるし危険なのは分かるのだが、もう少し「もしかして」の期待が
持てたかなと無責任に思ってしまう。
その後の去就が気になるところですが、
本田会長は「もう引退」との意向を表明していますが
本人はまだ名言は避けているようです。
昨日の今日で、当然本人は勝つ気だったろうし
気持ちの整理が付かないんだとは思いますが
まだはっきりとしたことが言えないのは
続けたい気持ちが強いのかなと想像してしまいます。
西岡選手が、本当にボクシングが好きってことは
すごく分かりますし、ボクシングというスポーツに
なかなか辞められない魅力も強いんだと思います。
ただ、やはり体の事を第一に考えるなら
引退が最良の選択に思えてしまいます。
引退後は、地元尼崎にボクシングジムを作るのが夢のようですし
今後は素晴らしいボクサーの育成を願うばかりです。
テレビの解説などで、的確な解説と、非常に分かりやすい
ボクシング理論を展開されてますので、西岡イズムを受け継いだ
素晴らしいボクサーが生まれるのは容易に想像が付きます。
いつか、西岡さんが育てた名ボクサーが、
ホームデポセンターでタイトルマッチを行う
なんて日が来たらきっと涙でますね。
厚かましいこと書きましたが、進退は本人が決めることですので
どういった決断をされても今後の応援は変わりません。
なにより、本当にお疲れ様でした。
まずは十分に体を休めていただき、今後もボクシング界を
支えて行って欲しいと切に願います。
西岡選手、数々の感動ありがとう。
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